2014/02/09

桃太郎 あるいは昔話絵本を選ぶ基準

桃太郎の絵本は非常に多く出版されていて、桃太郎の図像も多種多様です。
桃太郎のイメージに関する研究も多く行われています。
個人的に気になるのは、鬼を退治するほどの気迫をもった男の子と
人々を困らせ悪の限りをつくす鬼が、絵本でどのように描かれているか、という点です。

作家・画家による「鬼」の定義付けにもよりますが、
相当に強くて皆が怖れるような超人的存在を、男の子がひとりで退治するのですから、
これはもう、鬼くらいの気迫にあふれた男の子なんじゃないかと、僕は思います。
そこで、文字通り「鬼気迫る表情」が相応しいんじゃないかと思って、一枚描いて見ました。
ちょっと歌舞伎に寄りすぎているきらいもありますが、これくらい怖い表情でもいいと思います。


勧善懲悪の昔話は、やはり善悪をはっきりさせることで本来の意味を果たします。
桃太郎は鬼をしっかりと懲らしめなければいけません。
ちょっと叩いたりとか、叱ったりとか、そういうのでは全然ダメです。

赤ずきんも、世界中でたくさん絵本になっている作品ですが、
赤ずきん(、おおかみ)をどういうイメージで描くかによって、作品が与える作品の意味が変わります。

洋の東西を問わず、民話や昔話を絵本として視覚化する場合は、
本当に画家の考えが大切になると思います。
なので、できれば昔話の場合、個人的な絵の好き嫌いよりも、
演出的に良い悪いで判断して絵本選びをするのがいいように思います。
優れた絵本作家は、配役、衣装、舞台、セリフ等々すべてにおいて、すぐれた演出家でもあります。

たとえば「白い巨塔」や「花より男子」「レ・ミゼラブル」など、
テレビドラマや映画で同じ作品を別の人があらたに制作することがよくあります。
その時、キャストや演出、衣装、音楽などの違いで、受けるイメージが大きく変わると思います。
いくら自分の好きな俳優が主演をしていても、「これはちょっと違うな」と思うこともあるでしょう。
名曲のカバーで、曲のアレンジを変え、他の人が歌うときも同様です。
「天城越え」を若いアイドル(きゃりーぱみゅでもいいです)がノリノリで歌ったら、どうでしょう。
昔話絵本も同じです。
自分の好きなタイプの絵であっても、それが作品のテーマに沿ったものでないと、
単に好きな絵で描かれているだけの絵本でしかなく、
ひとつの作品としてとらえた時、絵本としては完成度が高くなりません。

絵本選びは、あくまで個人的感覚で構わないと思います。
ただ、ドラマや音楽など、絵本とは違うトピックでも同じ構造のものを参照できると、
絵本選びの基準が変わるかも知れません。

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